めありのおひま箱

独身OLの日常を徒然なるままに。転職話、お料理、お出かけ日記、教育熱弁など書きます。

我が青春の書、あさのあつこ作品

めありです。

 

 

 

この前書いた記事で「中学校の時あさのあつこさんの本が好きだった」というくだりを書いて、もっと掘り下げたくなりました。今日はめありの青春時代を支えたあさのあつこさんの作品について語ります!

 

 

 

あさのあつこさんとの出会い

 

www.marynoohimabako.com

 

 

上の記事でも書いていますが、学生時代はあさのあつこファンでした。

 

あさのあつこさんは、思春期の「子どもの中の内面的に大人な部分」を描くのが、非常に秀逸です。当時の私にとって、小説の中の等身大の少年少女たちは私の貴重な理解者でした。

 

 

あさのあつこさんとの出会いは、小学生の時に読んだ『テレパシー少女「蘭」事件ノート』シリーズです。たしか青い鳥文庫だったかな。恋愛要素あり、シリアスあり、コメディーありで何回も読み返しました。超能力でピーターパンのように空を飛んでいたので、私にもできないかと精神を研ぎ澄ます訓練をしたものです(笑)

 

それから、

『バッテリー』

THE MANZAI

という有名どころはもちろんのこと、ありとあらゆる本を読みました。

 

そして、私にとって運命の作品に出会いました。

 

 

『NO.6』

 

 

というシリーズです。

 

運命の作品「NO.6」

 

 

本当にこれは、何十回と読み返しました。当時14歳の私には衝撃作でした。

 

概要とあらすじ

あさのあつこさんの文章の特徴は「かっこいい言い回し」です。中学生にはちょっと難しい言葉とか、あえて古風な言い回しを使って硬めの文章です。読んでいる自分も深みが増して、賢くなったような気がしました。文学的な文章に触れている自分に酔っていたのかもしれません。

この『NO.6』という作品は、他のあさのあつこ作品よりもかなりその色が濃かったです。

 

めあり的あらすじとしては、

 

「NO.6」という理想都市で暮らす主人公の少年、シオン。知能の高さに恵まれ、理想都市の中でも選ばれた人間として、豊かな生活と将来が約束されたはずだった。12歳の誕生日、嵐の夜に”ネズミ”と名乗る少年と出会う。ネズミは理想都市に追われる身であった。この出会いが、2人の運命を大きく変えていく。

 

てな感じでしょうか。

このネズミがとんでもないイケメン設定なんですよ。あさのあつこさんのシリアスめの作品には必ずと言っていいほど登場するのが「とんでもなく顔が整っていて、陰のある青年」です。これがかっこよくてかっこよくて(#^^#)完全に恋してました(笑)大人びたイケメンって惚れるしかないですな。好きすぎて、かっこいい描写のページに印をつけて何度も読み返していました。気持ち悪いですね。

 

魅力その1:人間の真理

ネズミのかっこよさはさておき、この物語は人間の傲慢さ、醜さ、愚かさ、そして命の美しさを描いていました。理想郷「NO.6」の正体が明らかになるごとに、人間の本質も浮き彫りになっていきます。人間の、なんと身勝手で愚かなことか。物語を読み進めていくうちに、「生き物はみな平等」とか「人にやさしく」なんて言われながら育った私自身も偽善者なのではないかと思いました。自分の「ありがとう」や「ごめんなさい」という言葉は、相手のためではなくて自分のために言っているのかもしれない。自分の感謝の押し付け、自分が許されたいがための言葉なのではないかと。「相手のことを本当に想う言動」って、自分の真理って、一体何なんだろうとずっと考えていました。

 

魅力その2:名もなき関係

また、この作品のもう1つの魅力はシオンとネズミの関係性です。なかなか艶っぽいシーンがあるにもかかわらず、ボーイズラブな印象は受けませんでした。その理由は2人が

「友情とも恋情とも言えない、絆なんてきれいなものじゃないし、愛情とも違う」

関係だったからです。腐女子でも何でもない14歳の私が違和感を覚えるどころか、むしろ美しいと感じました。すごく不思議でした。

私の知っている言葉では、2人の関係にどんな名前が付けられるのか分かりませんでした。お互いが深く関わりあっているというのに、どの呼び方もしっくりきません。それがまた魅力的で、もっとこの作品を読み解きたいという一心で何度も何度も繰り返し読んだものです。

 

なんだろうな。なんなんだろうな。と長年悶々としていたとき、完結後に出た公式ファンブックのあさのあつこさんご本人インタビューで、

 

名前のない関係を描きたかったんです。

 

というコメントを見つけました。

 

ああ、そうか。名前なくていいんだ。

なるほど。確かに、すべての事柄に答えや名前がないといけないわけじゃないよね。

そっか、2人の間でお互いが大切である以上に何も難しいことはないんだ。

 

気持ちがぐっと楽になりました。それと同時に、自分が作者の伝えたかった意図を正しく読み取れていたことが心から嬉しかったです。

 

 おわりに

いい作品と出会うと嬉しいです。「これ、死ぬまで好き」と思うほどの作品に出会うことは、運命の人に出会うのと同じくらい奇跡だと思います。ただ、いい作品であるほど、ページの最後が近づいてくるときの悲しさ、読み終わったときの寂しさは計り知れません。

そう思うと、自分から動かないと素敵な出会いに恵まれないし、かけがえのない存在になるほど別れが惜しいのは人でも本でも同じですね。

 

めあり