めありのおひま箱

独身OLの日常を徒然なるままに。転職話、お料理、お出かけ日記、教育熱弁など書きます。

一言も話さない子ども

めありです。

 

仕事柄、いろいろな子どもと出会います。

 

今まで出会った中でかなり印象的だったのは、

 

誰とも一言も話さない子ども

 

です。今日は、そんな子どもたちについてお話しします。

 

 

物言わぬ子どもの正体

学校や習い事などの教室に来て、本当に誰とも何も話さず、表情も硬く、先生や友達に話しかけられてもかたくなに言葉を発さない。

覚えがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 

「なんでこんなにじゃべらないの?協調性無いじゃん!」

「私のこと嫌いなんだろうな。だって話しかけても無視するんだもん。」

 

いえいえ、そうじゃないんです。

 

これは緘黙(かんもく)という状態なんです。

 

特に多いのは場面緘黙(ばめんかんもく)です。これは、

 

家で家族とは普通にじゃべるし笑うのに、学校などでは全く話さなくなる

 

というパターンです。この子たちは悪気はありません。「こいつら全員気に食わないから、絶対しゃべらんとこ!」と思っているのではありません。

 

 

人見知りと場面緘黙の違い

人見知りや恥ずかしがりと似てるなと感じた方もいらっしゃるでしょう。確かに、最初は見分けがつかない部分もあります。

人見知りと場面緘黙との違いは、

 

特定の場所で話せない症状が何か月、何年と長く続くこと

リラックスできる場面でも話せないことが続くこと

人によって症状(話せない場面・程度)にかなり差異がありますが、話せない場面のパターンはその人ごとに一定しています。

 

なぜ話せないの?

本人たちはなぜ、言葉を発さないのでしょう。何かが怖かったり不安だったりしているはずです。本当のところは、当事者に直接聞いてみないと分かりません。ただ近年、専門家や支援者の間で場面緘黙は、

自分が話すのを人に聞かれたり見られたりしたらどう思われるか

ということに対して不安や恐怖を感じていると捉えられているのが主流だそうです。

原因や発症メカニズムはまだ研究段階ではっきりしていません。
仮説としては、不安になりやすい気質を持った人が、心理的、社会・文化的な要因に影響されて起こるのではないかと考えられています。

 

入園や入学、転居や転校時などの環境の変化により、不安が高まって発症することが多いようです。

クラスでの先生からの叱責やクラスメートからのいじめがきっかけとなることも。

一旦話せないことが続くと、「自分が話し出すとみんながなんていうだろう」など、注目されるような気がして、話すことに勇気がいります。

そのせいでどんどん話しづらくなり、話さないでいる方が精神的に楽になるため、この症状が定着するのではないかと考えられています。

ちなみに、緘黙は親のせいではありません。

世間からは「親が過保護なせいだ」「家庭環境が悪い」と言われがちですが、ほとんどの場面緘黙の子どもに、原因としてそれは当てはまらないことがわかっています。

 

治るものなの?

場面緘黙は大人になったら自然に治るものではありません。

その上、場面緘黙の子どもはおとなしい子が多いので、先生が困るような目立つ行動をとりません。よって、症状の発見が遅れることがあります。

 

親や先生、友達が早くからしっかり理解してあげて、その子が安心できる環境を整えてあげることが必要です。

本人が少しずつ少しずつ学校生活などに参加できるように、小さいことから自信をつけてあげることが大切です。

 

話せないことを責めない

 

これは鉄則です。

 

めありの思い出

私が学習塾で学生講師をしていたとき、今思うと場面緘黙だったなという女の子がいました。

おとなしい子は何人かいましたが、そのほとんどは塾に慣れるとコミュニケーションが普通にとれるようになりました。

一方その子はマジでいつまでたっても一言も話しません。かろうじて「読んで」と頼んだ文章や単語を音読するか、私の質問に対して首を縦か横に振るだけです。

当時の私には場面緘黙なんてものがあるなんて知らなかったので、かなり戸惑いました。ただ、私の話は聞いてるみたいだったし、やるように指示したことはちゃんとしていました。悪い子ではなさそうでした。なので、授業の中身を少しずつ工夫していきました。

 

まず、私からの発言はすべてイエスかノーで答えられるものにしました。

これで何とか意思疎通が円滑にできるようになりました。

 

また、常に明るく接することを心がけました。

何を考えているか本当に分からなかったので、とりあえず返事がなくても明るくめげずに接しました。問題や宿題がバッチリ出来ていたら褒め倒しました。

 

ほとんど会話らしい会話もないまま1年ほど続けました。

そのころには彼女も中学3年生。受験の時期です。

 

そんななか、ある時教室長に

「この前○○ちゃんのお母さんと面談したときね、『うちの子、家でめあり先生のことをよく話すんですよ。とても慕っているみたいです。』って言っていたよ!」

と話してくれました。

もう、ほんとびっくりですよ。

 

えええええぇぇぇぇぇーーー(;'∀')

 

です。だって、出会ってからほぼ話していないんですよ?私のスピーチをひたすら聞かせていただけです。慕われるほど会話してないぞ(;^ω^)

そして、「あの子家で言葉を発するんや!」ということにも驚きました。家では超しゃべる子みたいです。

 

でも確かに考えてみたら、当時「今日の授業、ちょっとだけ笑顔になった」という頻度が増えていました。

 

会話はなくても、心が通じ合っていたようです。

 

ありがたいことにお母さんからも信頼してもらえ、受験対策として私が提案したカリキュラムを「めあり先生がそういうなら」と受けてくれました。

 

無事志望校に受かってくれて良かったです。面接もあったはずなんだけど、どうやって乗り切ったんだろう・・・。

 

合格後、近所のスーパーでその子とお母さんにばったり会いました。

面白かったのは、お母さんとめちゃめちゃ話していた彼女が、私が声をかけた瞬間スンッと静まったことです(笑)

えぇ!?そんなになっちゃうの~(笑)

ってなりました(^-^;彼女はもうそういうものだとわかっていたので、全然不快とか残念な気持ちはなかったですが、純粋に面白かったです。

 

もう大昔の話なので彼女は今、成人していることでしょう。今頃どこで何してるのかな。。。

 

私は、学生講師として素晴らしい経験をたくさんしました。この彼女との出会いは私の中でかなり濃いものです。

彼女が昔を思い返した時に「めあり先生なんてのがいたな。あの先生に出会えてよかったな」って思ってもらえていたら嬉しいです。

覚えてくれてるだけで嬉しいですが!!

 

知識がないにも関わらず、彼女を結果的に正しく支えることが出来て良かったと思います。

話さないことを責めなくてよかった。

一年間、あきらめずに明るく接し続けてよかった。

 

真心って本当に大事ですね(*^^*)

 

めあり